古代から、シルバーはその色調の美しさと加工のしやすさからジュエリーとして広く用いられてきました。銀はほとんど錆びるという事がなく、常温では水や酸素と反応することはありません。ところがシルバーアクセサリーは放っておくと徐々に表面が黒ずみ、変色します。それはなぜでしょうか。
■ シルバーが変色する原因とは
シルバー製品は、大気中で水分や硫化酸素などに触れると表面に硫化銀ができ、その皮膜の厚さによって、うす茶色→青色→焦げ茶色→黒という順に色が変わっていきます。変色はシルバーアクセサリーならではの自然現象ともいえますが、とくに温泉地などでは、噴出する亜硫酸ガスや硫化水素と反応して変色しやすくなります。入浴の際には外して空気に触れないよう保管しておくと変色するのを防げます。
硫化とは硫黄が引き起こす化学反応です。銀は比較的この硫化現象が起こりやすく、激しく変質します。シルバーアクセサリーの製造工程で行われている「燻し加工」はこの硫化を利用して、人工的に硫化を引き起こしコントロールする事で、深い陰影を造り出しています。
■ 硫化を起こさないためのポイント
ネックレスのチェーンや指輪の内側など、人間の皮膚に触れる部分が黒ずむのは、皮膚や髪を構成しているたんぱく質の成分「シスチン」というアミノ酸に、硫黄が含まれているからです。夏場の湿気や汗、皮脂によってシルバーアクセサリーは変色しやすくなるため、使用した後には専用クロスや柔らかい布で乾拭きするなどのお手入れをすると良いでしょう。他にも化粧品や香水、ヘアスプレーなどが付着するのも、変色の原因となります。
あまり日常的に使われている際に、神経質になる必要はありませんが、硫化を引き起こしやすい温泉地での使用には注意が必要です。余談ですが、寒冷地(スキー場など)での使用も急激かつ局部的に体温が奪われ、凍傷を引き起こす可能性がありますのでシルバーアクセサリーの使用はお控えください。
また、保管する際もなるべく空気に触れさせない工夫が出来れば充分です。ジュエリーボックスに戻し、蓋を閉じておくだけでも効果があります。長期的に保管される場合は専用クロスで軽く磨いた後に、ジッパーつきの保存袋などに入れておく事をお勧めします。黒色化の原因は酸化(酸素と結合した化学反応)ではないので、完全な真空状態を保つ必要はありません。
■ 経年変化でより魅力的なアイテムに育てていく
シルバーアクセサリーが黒く変色してしまっても、それが「味」となることもあります。ネックレスやブレスレットのチェーンなど、表面だけを磨いて陰影をつくったり、シルバーリングに彫り込まれた模様の谷の部分だけ黒変を残したりすることで、立体感がより強調されるようになります。白銀に輝く状態も美しいですが、使い込むほどに少しずつ傷・摩擦・変色によって表情が変わっていくのも、シルバーアクセサリーの魅力といえるでしょう。銀の硫化が原因で変色した場合、どんなに真っ黒に変色していても、正しく磨けば元の輝きを取り戻すことが可能です。
もともと製品の仕上げ工程で入れられる「燻し」もこの日常的に硫化して黒ずむ化学変化を利用したものですから、磨く事によってその黒ずみも残しつつ輝きも蘇らせることが可能なので、アイテムを長く楽しむためのメンテナンスの一つと、お考えください。
【pra-na】はお客様のお手元にお届けする時の状態は、光沢のある鏡面仕上げをすべての商品共通で行っています。それは使用するたびに徐々に経年変化を起こし、お客様とともに時を重ね、より愛着を持って身につけていただきたいという想いからです。
オリジナルのシルバーアクセサリーブランドを扱う当ブランド【pra-na】では、さまざまな異文化を融合し、ボーダレスカルチャーを産み出すというコンセプトを基に、さまざまなモチーフをミックスしたメンズシルバーアクセサリーをオーダーメイドにて展開しています。シルバーリングやペンダントなど、他にはないオリジナルデザインのメンズブランドをお探しでしたら、当店の商品ラインナップをぜひご覧ください。